本州が桜の見納めを迎える4月初旬、北海道はようやく春の目覚めを迎えます。道都・札幌の桜のピークは4月下旬〜5月上旬。そして市街地から車で約1時間の山間の温泉地・定山渓では、春の風物詩として有名な「渓流鯉のぼり」が豊平川の渓谷を鮮やかに彩ります。
東京や京都の春はもう体験済み? それなら、北海道の遅い春こそ次の目的地にふさわしいかもしれません。
定山渓温泉:渓谷に湧く温泉郷
定山渓温泉は札幌中心部から約26km南、森に囲まれた渓谷沿いに位置する「札幌の奥座敷」。1866年に僧侶・美泉定山がこの地の温泉を発見したことに始まる、北海道屈指の歴史ある温泉地です。
50カ所以上の源泉があり、泉質はナトリウム塩化物泉。筋肉の疲れを癒し、肌をしっとりさせると評判です。
渓流鯉のぼり(4月10日〜5月10日)
毎年春、約400匹の鯉のぼりが豊平川渓谷にワイヤーで張られ、山と清流を背景に色とりどりの鯉が風に泳ぐ壮観な光景が広がります。定山渓温泉渓流鯉のぼりの2026年の開催期間は4月10日〜5月10日。
おすすめビューポイント:
- 二見吊橋 — 赤い吊り橋を渡りながら、目の高さで渓谷を泳ぐ鯉のぼりを眺められます。
- 定山渓ダムエリア — ダムと山並みを背景にしたパノラマショット向き。
- 渓谷散策路 — 川沿いの遊歩道にはさまざまなアングルのビューポイントが点在。朝の光が特におすすめ。
鯉のぼりは本来こどもの日(5月5日)に子どもの健やかな成長を願うもの。定山渓ではその圧倒的なスケールと渓谷のロケーションがあいまって、北海道屈指の映えスポットになっています。
温泉を楽しむ
定山渓には大型リゾートホテルから小さな旅館まで、露天風呂を備えた宿が揃います。日帰り派にはこちら:
- 定山渓鶴雅リゾートスパ 森の謌 — 森を眺めながらの贅沢な日帰り入浴。
- 豊平峡温泉 — 山奥にある素朴な日帰り温泉。本格インドカレーが意外な名物。国道230号沿いのドライブも気持ちいい。
- 無料足湯 — メインストリート沿いに数カ所。散策の合間にちょうどいい。
札幌:春を待ちわびた街
市内に戻れば、4月下旬〜5月上旬の札幌は独特の活気に包まれています。長い冬が終わり、街中が一斉に外に出る季節です。
北海道スタイルの花見
札幌の桜のピークは4月下旬〜5月上旬。東京より約1カ月遅れです。おすすめスポット:
- 円山公園 — 約1,700本の桜が咲き誇る札幌一番の花見名所。北海道固有種のエゾヤマザクラは、やや濃いピンクで繊細な花びらが特徴。
- 北海道神宮 — 円山公園に隣接。参道沿いに桜と梅が同時に咲く珍しい光景。
- 旭山記念公園 — 丘の上から市街地を一望。混雑少なめ。
- モエレ沼公園 — イサム・ノグチ設計のランドスケープアートが春にはピンクと緑のキャンバスに。
東京の1週間勝負と違い、北海道は気温が低いぶん桜が10〜14日持ちます。ゆったり楽しめるのが北海道花見の魅力。
札幌で食べるべきもの
春は札幌のグルメシーズン:
- スープカレー — 札幌発祥。スパイシーなスープに大きな野菜がゴロゴロ。Suage+やGarakuが人気店。
- ジンギスカン — ドーム型鉄板で焼くラム肉。花見しながらの屋外ジンギスカンは最高。サッポロファクトリーのビアガーデンが定番。
- 海鮮丼 — 二条市場で朝からウニ・いくら・カニの豪華丼。
- クラフトビール — ビールの街・札幌。ノースアイランドビアで地ビールを、サッポロビール博物館で歴史とテイスティングを。
少し足を延ばして
日程に余裕があれば:
- 小樽 — 電車で40分の運河の街。ガラス工房、レトロな倉庫群、そして北海道屈指の寿司。夕暮れの運河は格別。
- 登別温泉 — 火山性の地獄谷が蒸気を上げるダイナミックな温泉地。札幌からバスで約90分。
- 富良野・美瑛 — 花畑のピークは夏ですが、春の緑のパッチワークも美しく、観光客も少なめ。
実用情報
おすすめ時期: 4月下旬〜5月中旬。桜・鯉のぼり・快適な気候が重なるベストシーズン(日中10〜18℃)。
札幌へのアクセス: 東京(羽田/成田)、大阪などから直行便で約1.5〜2時間。北海道新幹線は新函館北斗まで開通済み、そこから特急で札幌まで約3.5時間。
定山渓へのアクセス: 札幌駅バスターミナル12番乗り場からじょうてつバスで約60〜75分、片道800円。20〜30分間隔で運行。車なら国道230号線で約50分のドライブ。
定山渓温泉の場所: 地図で見る
節約ポイント:
- 鯉のぼり鑑賞と渓谷散策は無料。
- 日帰り入浴は800〜2,000円。
- 札幌・小樽ウェルカムパス(2,540円)で両都市間の電車が1日乗り放題。
持ち物: 重ね着が基本。朝は5〜8℃まで冷え込み、午後は15〜18℃まで上がります。薄手のジャケットとストールは必須。
北海道の春をおすすめする理由
海外からの観光客の多くは冬(スキー・雪まつり)か夏(ラベンダー・避暑)に北海道を訪れます。実は春こそ隠れたベストシーズン。観光客は少なく、空気は澄み、宿泊料金もお手頃、そして自然が華やかに目覚める。渓谷を泳ぐ鯉のぼり、露天風呂、そして日本屈指の新鮮な海の幸——忘れられない旅のすべてが揃っています。