6月初旬、中ノ口川の堤防に立つと、まず音が聞こえてくる——何十人もの人々が太い麻縄を引き、水を吸った巨大凧を川上へ引きずる地鳴りのような轟音だ。川幅約80メートルの対岸でも同じ光景が繰り広げられ、歓声が沸き起こる。これが白根大凧合戦。祝いではなく「意地の張り合い」から生まれた祭りは、日本で最も生々しく、最も肉体的な夏の伝統行事であり続けている。
空に飛んだ喧嘩
物語は300年以上前に遡る。中ノ口川の堤防修復が完了した祝いに白根の住民が凧を揚げたところ、対岸の西白根に落下し、家屋や作物を損壊させてしまった。怒った西白根の住民は報復として凧を飛ばし返し、白根側に被害を与えた。実際の争いに発展する代わりに、両地区は対抗心を空へと向けた。こうして凧合戦が誕生し、以来毎年6月に戦い続けている。
合戦の仕組み
メインイベントは六畳凧——高さ約7メートル、幅約5メートル、畳24枚分の巨大凧だ。勇壮な武者絵や歌舞伎の隈取、地元のモチーフが描かれ、一枚の凧を揚げるだけでも数十人がかりとなる。合戦の流れはこうだ:
- 両岸からそれぞれ巨大凧を揚げる
- 川の上空で凧同士の糸を絡ませる
- 絡まった凧が川に落下
- 両岸のチームが綱引きを開始、一方の縄が切れるまで引き合う
負けた側の凧と切れた縄は勝者のものとなる。4日間を通じて勝敗が記録され、勝ち越しの誇りは本気そのものだ。
巨大凧に加え、六角凧による乱戦も行われる。こちらは個人チームが敵の糸を切ったり絡めたりする、よりスピーディーで混沌とした戦いだ。
いつ行くべきか
白根大凧合戦 2026は6月5日〜8日開催。巨大凧の打ち上げは午後(13:00〜17:00頃)が中心だが、六角凧合戦は午前中から始まる。6月6日〜7日の中日が最も白熱する。
ヒント:
- 河川敷の観覧場所は午前中に確保するのがベスト——地元の人は早くから場所取りをする
- 西白根側(西岸)のほうがやや空いている傾向
- 川沿いにはほぼ日陰がないため、日焼け対策は必須
- 雨天でも中止にはならない——小雨の凧合戦はむしろ迫力が増す
アクセス
JR新潟駅から: バスで約40分、または国道8号線経由で車。祭り期間中は白根大凧と歴史の館など指定駐車場からシャトルバスが運行する。
車の場合: 北陸自動車道・新潟西ICから約25分。複数の無料駐車場とシャトルバスあり。
新潟をもっと楽しむ
新潟は日本有数の米どころ・酒どころであり、もう1〜2日足を延ばす価値がある。新潟駅構内のぽんしゅ館では500円で地酒90銘柄以上から5杯の試飲ができる。夕暮れ時に萬代橋を渡れば新潟を代表する景観が広がり、旧齋藤家別邸では見事な商家庭園を楽しめる。歴史好きなら、開港の歴史を伝える水辺のミュージアムみなとぴあもおすすめだ。
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Image: 白根大凧合戦, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons