岐阜県の山間に佇む高山市は、見事に保存された江戸時代の商家、格子窓の町家、そしてゆったりとした時の流れから「飛騨の小京都」と呼ばれています。毎年初夏になると、この街はもうひとつの魅力でお客を惹きつけます。それが「酒蔵のん兵衛まつり」。2026年は5月29日から6月21日まで、3週間にわたって開催されます。
のん兵衛まつりとは?
その名の通り「呑兵衛(のんべえ)のためのお祭り」。高山市内の7つの酒蔵が参加し、限定試飲、蔵見学、ここでしか飲めない季節限定酒を提供します。来場者は試飲パスを購入し、古い町並みを自分のペースで歩きながら各蔵で日本酒を味わいます。
パスには各蔵での試飲回数と記念のおちょこが含まれるのが一般的。蔵によっては飛騨牛の串焼き、漬物、豆腐などの地元料理とのペアリングも楽しめます。
7つの酒蔵めぐり
高山の古い町並みはコンパクトなので、7蔵すべてを徒歩で回れます。暖簾をくぐり、杉樽が並ぶひんやりとした試飲室に足を踏み入れる瞬間、発酵する米の香りが漂います。その雰囲気こそが体験の半分です。
各蔵にはそれぞれの個性があります。辛口でキレのある純米を得意とする蔵、芳醇な純米大吟醸で知られる蔵、にごり酒やスパークリング日本酒で驚かせる蔵も。杜氏に水のことを聞いてみてください。高山の山の雪解け水は軟水として名高く、地酒にクリーンでまろやかな味わいを与えています。
食事とペアリング
酒祭りに食は欠かせません。小さな山の街にしては驚くほど充実した高山の食文化を紹介します。
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飛騨牛 -- 神戸牛に引けを取らない霜降りの和牛。三町筋の屋台で握り寿司(生肉を酢飯に乗せたもの)を食べるか、朴葉味噌焼きで味わうか。
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高山ラーメン -- 細い縮れ麺に醤油ベースのスープ、シンプルなトッピング。午後の試飲後の〆に最適。
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みたらし団子 -- 高山のみたらしは甘くなく醤油の香ばしさが特徴。串焼きの団子を片手に町を散策。
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朝市 -- 宮川沿いと高山陣屋前で毎朝開かれる2つの朝市。漬物、味噌、手工芸品、旬の野菜が並びます。
お酒以外の見どころ
高山はゆっくり歩くほどに魅力が見えてくる街です。古い町並みと酒蔵の他にも:
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高山陣屋 -- 江戸時代の代官所として日本で唯一現存する建物。畳の部屋や米蔵から封建時代の行政が生き生きと伝わります。
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飛騨の里 -- 周辺の村から移築した合掌造りの民家が並ぶ野外博物館。囲炉裏を囲んだ暮らしの風景を体験できます。
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新穂高ロープウェイ -- 高山から車で約45分。2段式ロープウェイで標高2,156mまで上ると、晴れた日には北アルプスの大パノラマが広がります。
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白川郷日帰り旅行 -- ユネスコ世界遺産の合掌造り集落はバスで約50分。高山と合わせて岐阜の旅を満喫しましょう。
実用情報
アクセス: JR高山本線で名古屋から約2時間半、富山から約1時間半。高速バスは東京(約5時間半)、大阪、金沢からも運行。JR高山駅から古い町並みまで徒歩約10分。
おすすめ時期: まつり期間は5月29日〜6月21日。5月下旬は梅雨入り前で天候も良好。平日は週末より空いています。
マイペースで。 3週間で7蔵なので急ぐ必要はありません。日本酒はゆっくり味わうのが一番。試飲の間に水を飲み、しっかり食べ、町歩きを楽しみましょう。
高山ののん兵衛まつりは、日本で最も絵になる街並みを歩きながら酒造りの伝統に浸れる貴重な機会。初心者も通も、きっと心に残る一杯に出会えるはずです。
Image: 高山・三町の歴史的町並み, CC BY 2.5, 663highland撮影, via Wikimedia Commons