晩秋の上田:徳川を二度退けた城、別所温泉の国宝八角三重塔、鹿教湯温泉の幻灯の夜(2026年10月下旬〜11月上旬)

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2026年9月27日

東京から新幹線で北西へ約90分。千曲川が山あいを抜け、日照時間の長い広い盆地に出る。ここが上田だ。徳川の大軍を二度も退けた城下町であり、平安の昔から知られた温泉の谷であり、そして長野でもっとも混まない秋の一角でもある。多くの旅行者は軽井沢や金沢へ向かう途中、ここを素通りしていく。10月下旬から11月上旬は、素通りするにはいちばん惜しい時期だ。稲刈りが終わり、谷の斜面が色づき、温泉街では収穫祭が開かれ、そして外国語はほとんど聞こえてこない。

恨みを抱えた城下町

上田城跡公園は上田駅から西へ徒歩10分ほど。天守はなく、見上げるような白亜の櫓もない。その代わりにあるのが、日本人観光客がわざわざ立ちに来る「物語」である。

真田昌幸が千曲川を見下ろす崖の上にこの城を築いたのは1583年。1585年、昌幸ははるかに多い徳川勢をここで撃退した。さらに15年後の1600年、子の信繁——後世に真田幸村の名で知られる人物——が同じことをやってのけ、徳川秀忠の数万の軍勢を足止めして関ヶ原の決戦に間に合わせなかった。家康はこれを終生許さず、城は破却された。

現在残るのは三つの櫓である。西櫓は江戸期のままの建物だ。南櫓と北櫓にはもっと数奇な来歴がある。明治の廃城後に売却され、別所温泉へ運ばれて遊廓の建物の一部として使われ、のちに市が買い戻して1949年にもとの石垣の上へ戻された。内部では真田氏ゆかりの甲冑や資料の展示が数百円で見られる。公園と土塁・堀の散策は無料だ。本丸跡には真田神社が鎮座し、その傍らには城外へ抜ける抜け穴の伝説が残る真田井戸が口を開けている。

公園のモミジやケヤキは市内でも屈指の見応えだが、色づくのは遅い。盆地の底は11月に入ってもまだ青く、見ごろは中旬あたりになる。10月下旬に紅葉を見たいなら、標高を上げるほうがいい。

別所温泉——信州の鎌倉

上田駅から上田電鉄別所線の二両編成に乗る。田んぼとりんご畑のあいだを30分ほど登れば別所温泉に着く。片道およそ600円、途中下車するなら駅で一日乗車券を買うといい。アニメ映画『サマーウォーズ』のファンなら、駅も車両も見覚えがあるはずだ。上田はあの田舎町のモデルである。

別所は千年以上前から湯の里であり、鎌倉時代には禅の学問の一大拠点となった。「信州の鎌倉」と呼ばれるゆえんだ。その証拠が、駅から坂を少し上った安楽寺にある。本堂の裏、杉木立のなかに立つ八角三重塔。日本で唯一の八角の三重塔であり、国宝であり、鎌倉期に伝わった禅宗様の建築だ。複雑に組まれた詰組と反り上がった軒は、長野のほかのどの塔とも似ていない。10月下旬、杉のあいだから差す光のなかでこの塔を見るために来る——それだけで十分な理由になる。

歩いて回れる距離に寺がもう二つある。北向観音はその名のとおり北を向いており、これは南を向く長野市の善光寺と対をなすためだ。片方だけでは「片参り」だと昔から言われてきた。坂の上の常楽寺には静かな庭と珍しい石造多宝塔がある。

温泉街には同じアルカリ性単純硫黄泉を引く共同浴場が三つあり、いずれも数百円で入れる。タオルの貸出はないところが多いので、小さめのものを持っていくこと。

鹿教湯温泉と幻灯の小路

市街の西、旧丸子地域の山ひだに抱かれた鹿教湯温泉は、性格の違う湯場である。静かで、いい意味で療養色が濃く、古くから国民保健温泉地に指定され、観光と同じくらいリハビリのために使われてきた。地名は「鹿が教えた湯」の意。傷ついた鹿を追った猟師が、鹿が湯で傷を癒やしているのを見つけた、という話が伝わる。

集落は渓谷を抱くように広がっている。屋根付きの木橋が谷を渡って文殊堂へ続き、その渓谷沿いのモミジは上田一帯でもっとも早く色づく。おおむね10月末から11月第1週が見ごろで、城跡公園より数週間早い。11月1日の夜には「食・浴の秋祭り」が開かれ、幻灯バルと幻灯小路が集落に灯る。先に湯に入り、それから外で食べるのがいい。山の夜は一桁まで冷え込むので上着を忘れずに。

上田駅から鹿教湯方面へのバスは1時間ほど。夜の催しに合わせるなら、最終便の時刻を必ず先に確認しておくこと。日が暮れると本数はぐっと減る。

10月下旬から11月上旬の催し

10月12日のハーフマラソンは、土地柄を存分に効かせて「上田古戦場ハーフマラソン」と呼ばれる。10月18日には丸子で信州丸子義仲祭りが開かれ、1180年にこの山あいで挙兵し、一時は京を制した木曽義仲をしのぶ武者行列が出る。同じ日には、大人向けにきのこ採りと野だての抹茶・和菓子を組み合わせた森歩きの企画もある。

10月25日には里の収穫祭と、37回を数える駅伝大会。31日には茶会。そして11月1日、44回目となる上田真田まつり。日程や時間は年によって動くので、一つの催しを軸に一日を組むなら、上にリンクした会場ページで最新情報を確かめてほしい。

食と、行き方

上田の名物は美味だれ焼き鳥。にんにくを効かせた醤油だれに、焼き上がった串をその場で何度もつけて食べる。卓上にたれの容器が置かれるのが作法だ。ほかに信州そば、くるみとくるみ菓子、10月下旬に最盛期を迎えるりんご、予算が許せば松茸。城跡から数分の北国街道柳町には現役の造り酒屋と人気のパン屋があり、江戸期の建物を使ったカフェが並んでいる。

行き方は簡単だ。東京駅から北陸新幹線でおよそ80〜100分、自由席で6,500円前後、ジャパン・レール・パスも使える。ただし最速のかがやきは上田に停まらない。はくたかかあさまに乗ること。

日程は二泊がちょうどいい。一泊を別所温泉で寺と湯に、もう一泊を上田市街か鹿教湯で祭りに充てる。服装は重ね着で。秋の盆地は乾いて晴れる——写真には最高だが、朝は5度近くまで下がり、昼は15度台という日較差になる。

Image: Ueda Castle South Turret by Suikotei, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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