2026年10月下旬の鳥取中部:三徳山「炎の祭典」の火渡り、断崖の投入堂、三朝温泉の河原風呂(10月25日)

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2026年10月11日

鳥取を訪れる旅行者の多くは砂丘だけを見て帰ってしまいます。けれど列車で少し西へ進んだ県中部には、日本屈指の修験の霊場、何百年も湯治客を癒やしてきた川沿いの温泉街、そして白壁と赤瓦の商家町が待っています。**2026年10月25日(日)**は、三徳山三佛寺で一般参加もできる火渡りを伴う秋の法会が行われ、同じ日に倉吉では駅前のまつりも開かれます。この週末を軸にした2〜3日の旅を紹介します。

三徳山三佛寺と投入堂

三徳山三佛寺は、山岳信仰と仏教が融合した修験道の寺です。その名を全国に知らしめているのが、切り立った岩壁のくぼみにはめ込まれるように建つ平安時代の小堂投入堂。役行者が麓で堂を組み上げ、法力で崖へ投げ入れたという伝説が残っていますが、確かにそうとでも説明しないと納得できない姿です。国宝に指定され、「日本一危険な国宝」とも呼ばれています。

投入堂へ向かう道はハイキングコースではなく修行の道です。木の根をつかんでよじ登り、鎖を頼りに岩場を越え、文殊堂や地蔵堂といった岩の上の堂を巡ります。文殊堂・地蔵堂の縁には手すりがなく、眼下に谷が広がります。登山事務所から往復でおよそ1時間半〜2時間を見ておきましょう。

寺はこれを修行と位置づけており、決まりは厳格です。

  • 単独入山は不可。必ず2人以上で入山します。
  • 入山受付で靴のチェックがあり、滑りやすい靴では入れません。必要な人のためにわらじが販売されています。
  • 受付で名前を記入し、参拝料とは別に入山料を納めます。入山受付は午後3時ごろに締め切られます。
  • 大雨のとき、積雪後、冬季は入山禁止になるため、10月下旬は快適に登れる最後の時期のひとつです。

登らない人は、山の下の道路沿いにある遥拝所から崖に張り付いた投入堂を遠望できます。双眼鏡や望遠レンズがあると便利です。

秋会式「炎の祭典」(10月25日)

三佛寺では毎年秋に秋会式が営まれ、地元では「炎の祭典」として親しまれています。例年は午後1時ごろから屋外で採燈護摩が行われ、法螺貝を携えた山伏たちが読経するなか、杉を積み上げた護摩壇に火が放たれ、護摩木が炎にくべられます。火が燃え落ちると残り火がならされ、近年は午後2時15分ごろから火渡り神事が始まります。

まず山伏が火の上を渡り、続いて一般の参詣者も素足で渡って開運や厄除けを祈ることができます。2025年は参加料1,000円で、厄除けはちまきと火渡り餅が付いていました。燃えやすい化繊のスカートやタイツは避けてください。当日は三朝温泉の観光駐車場と三徳山を結ぶシャトルバスが運行された実績があり、狭い谷沿いの道を車で行くよりずっと楽です。2026年の正確な時間は、直前に寺や三朝町の観光情報で確認しましょう。

この時期、境内のもみじは色づき始めたばかり。見頃は例年11月上旬〜中旬です。

三朝温泉

谷を10分ほど下ると、ラドン含有量の多さで知られる三朝温泉があります。「三つの朝を迎えれば病が消える」という言い伝えが名の由来とされます。三徳山と合わせて「六根清浄と六感治癒の地」として日本遺産に認定されており、山で心身を清め、湯で癒やすという物語になっています。

温泉街の象徴は、三朝橋のたもと、三徳川の河原に石で囲まれた露天風呂河原風呂。無料の混浴で、橋の上からほぼ丸見えのため、多くの人は近くの無料の足湯で楽しみます。かじか橋の中央にある足湯「かじかの湯」では、足を浸しながらカジカガエルの声に耳を澄ませることもできます。なお河原風呂は奇数日の午前中が清掃のため入浴できません。しっかり浸かりたいなら、自家源泉のある旅館や株湯などの共同浴場へ。夕食後は浴衣で提灯の灯る温泉本通りを散策し、昔ながらの射的場をのぞいてみるのも楽しみです。

倉吉:白壁と赤瓦の町並み

玄関口の倉吉は城下町・商家町として栄えた町です。白壁土蔵群では、石橋が架かる玉川沿いに白い漆喰の土蔵が連なります。江戸〜明治期の建物の多くは艶やかな赤い石州瓦をいただき、今はカフェや酒蔵、工芸品店、醤油の醸造元などになっています。歩いて半日ほどで回れます。JR倉吉駅からはバスで約15分です。

同じ日曜には第14回倉吉ばえん祭が倉吉駅周辺で開かれ、ステージや出店でにぎわいます。山の厳かな法会とは対照的な、町の元気を感じられるはずです。

モデルプラン

  • 1日目(24日・土):倉吉に到着し、午後は白壁土蔵群を散策。バスで三朝温泉へ移動して宿泊。
  • 2日目(25日・日):朝一番に投入堂へ(入山受付は午前8時ごろから)。午後は採燈護摩と火渡りを見学し、三朝温泉で連泊。
  • 3日目(26日・月):東へ移動し、鳥取砂丘に立ち寄って帰路へ。

アクセス

  • 大阪・京都から:特急スーパーはくとで鳥取へ(大阪から約2時間半)、特急または普通列車で倉吉へ(30〜50分)。
  • 岡山から:特急スーパーいなばで鳥取乗り換え、または特急やくもで米子乗り換え。所要2時間半〜3時間程度。
  • 東京から:羽田から鳥取空港へ(約1時間15分)、バスや列車で移動。
  • 路線バス:JR倉吉駅から三朝温泉まで約20分、三徳山まで約40分。1時間以上間隔が空く便もあるので、帰りの時刻を先に確認しておきましょう。

旅のヒント

  • 投入堂へは登山靴と軍手を。荷物は両手が空く小さなリュックにまとめましょう。
  • 25日朝に雨が降ると入山できないことがあります。予備日として月曜を確保しておくと安心です。
  • 11月上旬に再訪できるなら、鳥取の松葉がに漁は11月6日に解禁。三朝の旅館もかに料理の季節に入ります。
  • 祭り当日の週末は三朝の宿が埋まりやすいので早めの予約を。

Image: Nageiredo of Mitokusan Sanbutsuji by Kazunori Fujimoto, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

掲載スポット

三徳山三佛寺三朝町
鳥取砂丘鳥取市
三朝温泉三朝町

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