毎年4月24日、高知県立牧野植物園は「日本の植物学の父」牧野富太郎(1862-1957)の誕生日を記念して無料開園します。2023年のNHK連続テレビ小説『らんまん』をご覧になった方なら、5歳で植物に恋をして生涯その情熱を貫いた、土佐(現・高知)出身の少年の物語をすでにご存じでしょう。1,500種以上の植物に名前をつけた独学の天才——その生誕の地を訪れる最高の一日が「マキノの日」です。
マキノの日に何が起こる?
普段は非公開の4つの特別ツアーが実施されます:
- 植物研究交流センター体験ツアー — 四国の固有種を研究する現場を見学(詳細)
- 園内植物観察ツアー — その週に見頃の花を巡るガイド付き散歩(詳細)
- 標本庫見学ツアー — 130年以上前の牧野博士自身の押し花標本を、温湿度管理された保管庫で鑑賞(詳細)
- 牧野文庫見学ツアー — 全財産を植物書に費やしたと言われる牧野博士の蔵書を閲覧(詳細)
各ツアーは事前申込制(定員約20名)で、すぐに埋まります。日程が発表され次第、公式サイトで確認しましょう。
植物園の魅力
五台山の丘陵に広がる牧野植物園には、約3,000種の植物が収集されています。熱帯・乾燥環境を再現した温室も見どころですが、本当の魅力は屋外コレクション。苔むした森の小径、伝統的な土佐の民家庭園、そして牧野博士自身が100年以上前に野外で記録した種が今も生き続けています。
4月下旬には、藤棚にフジが垂れ始め、ヤマツツジが山肌を彩り、希少な山野草のランが見頃を迎えます。内藤廣氏が設計した牧野富太郎記念館は、木とガラスで構成された建築が樹冠の上に浮かぶように見える圧巻のデザインです。
訪問ガイド
アクセス: 高知龍馬空港(KCZ)からリムジンバスで高知駅へ(約25分)。駅前からMY遊バスで植物園正門前へ(約30分)。マキノの日は駐車場も無料です。
到着時間: 開園は9:00。ツアーは一日を通じて実施されますが、午前中が比較的空いています。閉園は17:00(最終入園16:30)。
料金: 通常は大人730円ですが、4月24日は無料。ツアーも無料(定員制)。
合わせて楽しむ: 毎週日曜に大手筋通りで開催される「日曜市」は300年以上の歴史を持つ日本最大級の露天市。週末滞在なら必見です。高知を離れる前に、ひろめ市場で鰹のたたきをぜひ。
宿泊情報: 早めの予約を。高知は大観光都市ではないため、マキノの日と週末が重なるとホテルが埋まりやすいです。
なぜ牧野富太郎が重要なのか
牧野富太郎は大学の学位を一度も取得していません。オランダ語やドイツ語のテキストで独学し、フィールドワークの資金のために実家の造り酒屋を売り、学術界から何度も冷遇されました。それでも78年にわたる研究を続け、決定版『日本植物図鑑』を刊行し、日本人なら誰もが知る桜やツバキ、草花に学名を与えました。故郷のこの植物園は、単なる記念碑ではなく、彼の生涯の仕事を今も受け継ぐ場所です。
植物愛好家、植物学ファン、そして遍路以外の理由で四国を訪れたい方にとって、マキノの日は見逃せない体験です。
Image: 高知県立牧野植物園, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons