秋になると、京都の寺院は紅葉を目当てに訪れる観光客でいっぱいになります。しかし、紅葉シーズンと並ぶ、もう一つの美しい楓の季節があることをご存じでしょうか。それが「青もみじ」——5月下旬から6月にかけて、若く瑞々しい青葉が京都の寺院や庭園を鮮やかな緑色に染め上げる時期です。人混みは去り、ホテル料金は下がり、古都はふたたび蝉の声と僧侶たちだけのものになります。
仁和寺:夕暮れの青もみじライトアップ
世界遺産の仁和寺では、2026年5月22日から6月28日まで青もみじライトアップが開催されます。夕闇が御室の地に沈むと、境内の青もみじが柔らかな光に照らされ、まるでエメラルドの天蓋の下にいるような幻想的な空間が広がります。仁和寺は春の御室桜で有名ですが、青もみじの時期はまったく異なる表情を見せます——静謐で、涼やかで、瞑想的。ライトアップされた新緑の上にそびえる五重塔の光景は、写真以上に心に残るものです。
嵐電(京福電鉄)北野線の御室仁和寺駅下車。ライトアップは通常18時30分頃から。桜の時期に比べると格段に空いています。
東福寺:あの通天橋を緑の中で
東福寺といえば、通天橋から見下ろす紅葉の海が有名です。しかし6月、その同じ橋から見える景色はまったくの別世界。谷一面が若々しい緑の樹冠に覆われ、朝の光に透ける薄い葉がまるで翡翠のステンドグラスのように輝きます。入場規制も行列もありません——ただ鳥のさえずりと、時折響く梵鐘の音だけが聞こえる、生きた絵画の中に立つような体験です。
JR東福寺駅から徒歩約8分。早朝の訪問がおすすめです。
永観堂・哲学の道・南禅寺:東山の緑を歩く
東山エリアは京都随一の青もみじスポットが集中するエリアです。まずは永観堂へ。秋には「みかえり紅葉」で名高いこの寺も、6月は緑の静寂の聖域に変わります。庭園の池は頭上の翡翠色の樹冠だけを映し、本堂裏の山道は涼しい木陰の層を抜けていきます。
永観堂から南へ哲学の道を歩きましょう。春には桜並木で彩られる疏水沿いの小道は、6月には緑のトンネルに。朝のゆっくりとした散策にぴったりです。
さらに足を延ばして南禅寺へ。巨大な三門から望む東山の森は圧巻です。塔頭の天授庵庭園は、苔と楓と鏡のような池が何百年も変わらない構図で配された、とりわけ美しい緑の空間です。
貴船神社と川床:川の上で食べる京料理
市街地の北、山深い森の中にある貴船神社では、6月1日に貴船祭が行われます。水の神を祀るこの古社は青もみじと杉に包まれ、赤い灯籠が連なる参道と深緑のコントラストは京都屈指のフォトスポットです。しかし初夏の本当の魅力は「川床」。貴船川の上に組まれた座敷で、川のせせらぎを聴きながら、頭上には青もみじ——京の夏の贅沢の極みです。
叡山電車で出町柳から貴船口駅へ。川床は要予約、特に週末は早めの確保を。
藤森神社:紫陽花の隠れ名所
楓が主役の6月の京都ですが、紫陽花の美しさも見逃せません。藤森神社では6月1日から30日まで紫陽花まつりを開催。約3,500株の紫陽花が境内の2つの紫陽花苑で咲き誇り、紫、青、ピンクの花房が古い社殿を彩ります。
京阪墨染駅から徒歩5分。近くの伏見稲荷大社と組み合わせて、京都南部を一日楽しむのもおすすめです。
第75回京都薪能:かがり火のもとで観る能
6月1日・2日の夕べ、平安神宮では第75回京都薪能が上演されます。薪(たきぎ)の炎だけに照らされた野外舞台で、能と狂言が演じられる——炎のゆらめきが面をつけた演者に劇的な陰影を落とし、600年以上続く物語が夜空の下に蘇ります。75周年の記念公演となる今年は特別な意味を持ちます。チケットは京都能楽会を通じて購入可能、約4,000円です。
6月の京都旅行のヒント
京都の梅雨入りは例年6月7〜10日頃。断続的な雨は緑の景色をさらに美しくしてくれます——濡れた楓の葉はいっそう鮮やかに輝き、寺院の苔庭は電光のようなエメラルド色に。折りたたみ傘と防水シューズをお忘れなく。気温は23〜27℃前後です。
移動には京都バス1日券(700円)が便利。北部の貴船方面は出町柳からの叡山電車が風情ある路線です。東山エリア(永観堂・南禅寺・哲学の道)は徒歩散策が一番——距離も手頃で、道中そのものが旅の醍醐味です。
Image: Garden of the Tenju-an temple in Kyoto, CC BY 4.0, by Jakub Hałun, via Wikimedia Commons