富良野ラベンダーシーズン:紫の丘、虹色の花畑、そして北海道の夏の香り(2026年6月〜7月)

2026年5月30日

毎年夏になると、北海道の中央部に広がるなだらかな丘陵が、写真では捉えきれないほどの絶景を見せてくれます。富良野・上富良野エリアのラベンダー畑は何十年にもわたって国内外から観光客を惹きつけてきました。6月下旬から7月中旬が、空気に漂う香り、地平線まで続く紫、そして本州の蒸し暑さとは別世界の涼やかな山風を同時に楽しめるベストシーズンです。

ファーム富田:すべてはここから始まった

中富良野町にあるファーム富田は、北海道ラベンダーの聖地です。1958年、富田家が小さな丘にラベンダーの苗を植えたことから物語は始まりました。1970年代に旧国鉄のカレンダーに採用された一枚の写真がきっかけで、列車に乗って訪れる人が増えていきます。現在、農園は複数のテーマガーデンに広がり、6月下旬から8月にかけて順に花を咲かせます。

最も有名なのが彩りの畑です。なだらかな斜面に、紫のラベンダー、白のカスミソウ、赤のポピー、オレンジのハナビシソウ、ピンクのコマチソウが水平の帯状に植えられています。斜面上部の展望デッキからは、七色の帯が十勝連峰を背景に広がる絶景が一望できます。

トラディショナルラベンダー畑も見逃せません。農園最古の区画で、おかむらさき、ようてい、はなもいわ、濃紫早咲の4品種が少しずつ異なる時期に咲き、紫、青紫、淡い藤色と奥行きのあるグラデーションを見せてくれます。

ファーム富田は入場無料、通年営業、予約不要です。売店ではラベンダーエッセンシャルオイル、ドライフラワーのサシェ、ラベンダーはちみつなどを販売。ラベンダーソフトクリームはぜひ食べてほしい一品——花のような甘さがクリーミーに広がります。ピークシーズンは10時を過ぎると花畑の小道が人で埋まるので、8時前の到着がおすすめです。

今年はファーム富田ラベンダーイーストが6月20日にオープンし、7月20日まで営業します。本園の道路を挟んだ東側に広がるこの畑は、もともと精油生産用に植えられたもので、面積は約4ヘクタール——日本最大級の一枚ラベンダー畑です。本園から車で数分、徒歩約15分です。

日の出公園:丘の上のパノラマ

上富良野の町を見下ろす丘に位置する日の出公園ラベンダー園は、地元の人々が「この地域で一番の眺め」と語る場所です。頂上からは、段々状のラベンダー畑の先に十勝連峰の全貌——特徴的な十勝岳の三角錐まで——が広がります。ファーム富田より人が少なく、ゆったりとした時間が流れています。舗装された散策路がラベンダーの列の間を縫い、頂上にはベンチがあります。

7月4日から12日にはラベンダーフェスタかみふらのが日の出公園で開催され、地元グルメの屋台やクラフト体験、ラベンダー畑の夜間ライトアップが楽しめます。

ラベンダーの先にある富良野の夏

ラベンダーが主役ですが、富良野の夏はそれだけではありません。富良野から美瑛にかけて続く丘陵地帯——「パッチワークの路」「パノラマロード」で結ばれた農地——には、ヒマワリ、ルピナス、ポピー、ジャガイモの花がパッチワークのように咲き誇ります。レンタカーやe-bikeで畑の間を走る午後は格別です。

新富良野プリンスホテルの裏の森に佇むニングルテラスは、小さなログハウスの工房が集まるクラフトエリア。蜜蝋キャンドル、フェルト人形、木工ペン、草花の紙製品など、地元の職人が手作りの作品を販売しています。工房をつなぐ森のボードウォークは、霧の朝にとりわけ美しい雰囲気。このテラスは、1980年代に富良野を全国に知らしめたテレビドラマ『北の国から』の脚本家、倉本聰の構想から生まれました。

食のまち富良野は酪農王国でもあります。富良野チーズ工房では無料の試食やバター作り体験ができます。地元のカレー店では、富良野産野菜と北海道牛を使った濃厚な「ふらのカレー」が人気。夕方には、谷を見渡すパノラマウィンドウのあるふらのワインハウスで、周囲の丘で育ったぶどうのワインを。

いつ行くべきか

早咲き品種は6月中旬から色づき始めますが、多くの畑のピークは6月下旬から7月中旬です。ファーム富田の彩りの畑が最も鮮やかになるのは7月上旬の2週間。遅咲きのおかむらさきは8月上旬まで楽しめます。

北海道の夏の気温は穏やかで、日中の最高気温は22〜26℃前後ですが、この緯度の日差しは強烈です。日焼け止め、帽子、水分は必携。雨具もあると安心——北海道の夏は本州の梅雨より乾燥していますが、午後のにわか雨は珍しくありません。

アクセス

札幌からは道東自動車道で滝川まで行き、国道38号を南下して富良野へ——合計約2時間半。JRでは札幌から滝川経由で約2時間(滝川で乗り換え)。

新千歳空港からレンタカーで約2時間半。ラベンダーシーズン(6月下旬〜7月)には、JR北海道が季節限定の**「フラノラベンダーエクスプレス」**を札幌から乗り換えなしで運行します。JR北海道の時刻表で運行日を確認してください。

富良野到着後は、夏季運行の観光列車のろっこ号が富良野〜美瑛間を走ります。ラベンダー畑駅——ファーム富田のためだけに作られた小さな季節駅——で降りれば、入口まで徒歩5分です。

最高の訪問のために

  • 8時前に到着:やわらかい朝の光と空いた畑を独り占め。
  • 平日は週末よりかなり空いています。
  • 富良野+美瑛のセットがおすすめ:白金青い池と四季彩の丘は北へ30〜40分。日帰りで回れます。
  • 薄手の上着を:7月でも北海道の朝は涼しいことがあります。
  • 食を楽しむ:ラベンダーソフトクリーム、ふらのメロン、搾りたて乳製品、ふらのカレーが旅の半分です。

Image: ファーム富田・彩りの畑(中富良野町), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

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